韓国の広域地方自治団体(日本で言う都道府県)の一つである京畿道から、京畿道地域における生涯学習の推進計画づくりと、大学単位でのシニアを対象とした生涯学習事業拡大のための調査を目的に、生涯教育振興院の方々が視察にいらっしゃいました。
京畿道は、韓国の首都圏に位置する広域自治体で、日本で言えば埼玉県や千葉県にあたる地域に相当し、韓国で最も人口の多い地域です。韓国では近年、1955年から1963年の間に生まれ、産業化時代を支えた中心的存在である「ベビーブーム第1世代」の本格的な引退が進み、40歳以上の中高年人口が急増しています。こうした社会変化に対応するため、学びを通じて中高年世代が再び社会とつながり、自らの人生を再設計できるよう支援することを目的とした生涯学習事業を運営しておられ、今後は地域の大学との連携をさらに深め、より多様な学習機会の創出を目指しているとのことでした。
RSSCの概要説明後は、企画広報や政策研究といったそれぞれの立場から質問が繰り出されました。大学で学ぶことは敷居が高いと感じられがちであるが、より親しみやすくするための工夫について、また「京畿道内の複数の大学と連携し、『学び』と『旅』を組み合わせたプログラムにも関心があるが、そのようなニーズはあるのか」といった意見交換が行われました。これらの対話を通じて、私たちも改めて多くの示唆を得ることができ、生涯学習に関わる多様な主体間における意見交流の重要性を再認識いたしました。
冷涼な秋の空気が心地よいキャンパスをめぐり、10月11日に除幕式が行われた韓国の詩人尹東柱の記念碑と、立教学院展示館で詩の展示、RSSC受講生が利用する図書館やラウンジなどの施設を見学していただきました。